ワンデュポダンの中心地は、プナカの南に位置し、プナカより車で約30分の場所にあります。中央エリアに行く際に経由するエリアで、以前はこぢんまりとした町でしたが、水力発電所の建設や住宅、建物が増えたことで、街の中心地は以前より活気づき、街が大きくなりました。2014年に火災で全焼し、現在修復工事中のゾンに入場できないこともあり、観光スポットは数多くありませんが、ワンデュポダンの中心地から約2時間半のポブジカ谷(Phobjikha)は、雄大な自然が広がりおすすめのスポットです。ポブジカは、毎年冬にチベットから飛来し、越冬するオグロ鶴の地として有名で、毎年多くの観光客が訪れています。山々に囲まれたポプジカのような美しい谷はブータンの中でも珍しく、底が広いお椀のような形になっており、湿地帯です。ポブジカはワンデュポダン県に属し、西部と中央部を隔てて連なるブラックマウンテンの国立公園内に位置します。ポブジカまではプナカからの日帰りも可能ですが、雄大な自然を目の前に、一晩過ごすのもおすすめです。
プナカ川とダン川の合流地の丘に堂々とそびえ建つこのゾンは、17世紀に建てられこれまでこの町のシンボルとなってきました。ゾンから眺める対岸のリンチェンガンの集落は、のどかな景色が広がり平和を感じる光景です。ゾンの下に架かる橋は、経文旗が風でなびき、下から眺めるワンデュポダンゾンは威厳を放ちます。※2019年2月現在、こちらのゾンは、2012年6月24日の火災により焼失し、修復中です。内部の見学はできませんが、完成に近づいています。
鶴が飛来する湿地帯から丘を登ったところに位置するこの僧院は、ブラックマウンテンを境界とすれば西側唯一のニンマ派の僧院であり、国内でもニンマ派としては最大の僧院です。ニンマ派の僧侶の他に約140人のゴムチェンと呼ばれる僧によって僧院は守られています。ニンマ派の高僧ペマ・リンパの孫にあたるペマ・ティンレイによって1613年に建てられました。ペマ・リンパの伝統的な宗教の教えは今なお、この僧院で教え継がれています。オグロ鶴がチベットから飛来するとき、鶴たちはこのお寺の上部を3回まわる、と言われています。
ポブジカはオグロ鶴の飛来地として有名で、毎年10月下旬、チベットから500羽ほどのオグロ鶴が山を越え、この地で越冬します。ブータンでは“天国の鶴”として大切され、保護に力を入れています。2月中旬からヒマラヤ山脈を越え、チベットに戻っていきます。鶴の鑑賞に最適な時期は、11月から1月です。数は少ないですが、3月頃まで見ることができます。鶴の生態は大変興味深く、チベットから飛来してくるときも、またチベットへ戻るときも、ポブジカの近くにある僧院ガンテ・ゴンバの上空を3回廻ると言われています。また、病気の鶴がいると、他の鶴が5日間かけてチベットからポブジカへ塩を運んで手当てするとも言われており、大変興味深く、賢い鳥だと知られています。 鶴の観察は肉眼でも見えますが、湿地帯を見下ろすことができる丘に鶴のインフォメーションセンターがあり、そこから望遠鏡を使って見ることもできます。センター内には、ビデオ上映や写真、歴史、生態についての説明があり、オグロ鶴について詳しく知ることができます。
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