パロはブータンと海外をつなぐ玄関口となり、唯一の国際空港があります。豊かな文化をもち、辺りに広がる水田や畑が美しい景色をつくりだしています。北部にはブータンの代表的な高峰チョモラリ(7,314m)がそびえ立ち、その氷河の水が谷地のパロ川(パロ・チュ)を形成しています。パロ川は、地元で生産される赤米などの穀物を作る水源となっています。そのため、パロは国内でも最も肥沃な谷地の一つとされています。
 いくつもの神話や伝説が存在し、最古の寺院を含め多数の寺院があり、ブータンで観光客に1番人気は、小さいながら威厳をもって絶壁に建つタクツァン僧院です。また、パロ・ゾン、ブータン国立博物館、古刹キチュラカン、ブータンの農業に多大な貢献をした日本人ダショー西岡京治氏の記念仏塔、記念資料館、農家見学などが見所となっています。

パロの主な観光名所
パロ・ゾン( Paro Dzong / パロ城塞 )

 ブータンで最初の支配者である高僧シャブドゥン・ンガワン・ナムゲルによって1646年に建立されたゾンで別名リンプン・ゾンともいいます。このゾン(城塞)はパロ地区にある寺院の本部であり、地方行政区の県庁、パロ地方裁判所の役割を担っています。
 ゾンまでは、ネミ・ザムと呼ばれる伝統様式の屋根付きの橋でパロ川を渡ります。この橋の両側には、経文が書かれた五色の布(ルンタ)が括り付けられ、そよ風によって鮮やかな布が翻る様子はとても平和的で、穏やかな空気が漂っています。この橋を渡り、石畳の道を歩くとゾンの建築の素晴らしさが分かる光景が広がっています。春に一度のパロツェチュ祭の開催場所ともなっています。

 

 

タ・ゾン( Ta Dzong / タ城塞 / ブータン国立博物館 )

 パロ・ゾンの背後の丘に立つタ・ゾンは、17世紀、村同士の戦いが起こった際、パロ・ゾンを防御するために建てられた望楼です。そのため、タ・ゾンからはパロを一望することができます。1967年以来、国立博物館として使われています。建物の壁には、17世紀当時の名残で銃口を差し込む穴が現在も見ることができます。博物館は円形を模した形となっており各階に美術品、遺物、武具、仏画の掛け軸、郵便切手、蝶の標本などの多くのコレクションが展示されています。

 

 

ドゥゲ・ゾン( Drukgyel Dzong / ドゥゲ城塞 )

 チベットからの侵略に対する勝利を記念して、1646年にシャブドゥン・ンガワン・ナムゲルによって建てられたゾンです。歴史的に重要建築物であり、1914年には米誌ナショナルジオグラフィックで特集されました。1951年の火災によって廃墟となりましたが、ドゥゲ・ゾンの栄光は今なお残っています。天気の良い日はこの谷から高峰チョモラリを望むことができます。

 

 

キチュ・ラカン( Kyichu Lhakhang / キチュ寺院 )

 国内では最も古く、神聖な寺院の一つとされています。その昔、巨大な体を持つ悪魔が大地に大の字になると、胴体はチベットに、両足がパロとブムタンの地をそれぞれ覆うとされました。その悪魔を退治する目的で両地に建立されたのが、このキチュ・ラカンです(ブムタンはジャンベ・ラカン)。
キチュ・ラカンは2つの堂によって構成されています。1つの堂は7世紀チベットのソンツェン・ガンポ王によって、2つ目の堂は時を超え1968年3代国王妃アシ・ケサンによって同じ様式を用いて建立されました。

 

 

キラ・ゴンパ( Kila Goemba / キラ僧院 )

 精神的な遂行、学問、祈祷、瞑想を通して平穏な世界を導くために尼僧たちが自らの人生を捧げている寺院です。チェレラ峠へ行く途中に位置し、岩山に据えられています。チェレラ峠からキラ・ゴンパまでは、森林の風景を眺めながら徒歩で約1時間です。

 

 

タクツァン・ラカン( Taktshang Lhakhang / タクツァン僧院 )

 観光客が必ず訪問すると言っても過言ではないブータンで一番人気の名所です。ブータン人にとっても由緒ある僧院の一つで、人生において一度は訪れるべきとブータンでは考えられています。8世紀に高僧グル・リンポチェが虎の背に乗ってこの地に着き、瞑想をしたことが始まりと言われています。そのためこの地は「タイガー・ネスト(虎の寝ぐら)」とも呼ばれています。1998年4月19日の火災によってほぼ全焼となり、現在の建物は修復されたものです。また、その火災で、グル・リンポチェの像が安置されている部屋だけは被害を受けなかったと言います。そのため人々は、それは奇跡だったと言われると同時に、やはりそれは何かしらの目に見えない偉大な力がタクツアァン僧院を覆っていることを確信したと言われています。
 パロ谷から高さ900mの場所に位置し、500mの絶壁に建立されており、僧院までは歩いて片道約3時間かかります。途中の第一展望台までは馬に乗って行くこともできます。第一展望台にあるレストハウスから望むタクツァン僧院は、「なぜあんな場所に建てたのか」「どうやって建てたのか」「本当にあそこまで行けるのか」という疑問と同時に、その壮大さと威厳さに感動し、タクツァン僧院に着いたときの感動は格別なものとなるでしょう。グル・リンポチェが瞑想したという洞穴も見ることができます。

 

西岡京治氏の仏塔、記念資料館

 1964年に日本政府より農業の専門家としてブータンに派遣された西岡京治氏の仏塔、記念資料館です。28年間に渡って日本の農業技術を取り入れ、指導に尽力しました。多くの野菜、果物、米の栽培に成功し、今なおも栽培法は引き継がれ、ブータンの農業に多大な貢献をされました。その功績を称える記念館がパロの国立農業機械化センター内に2014年オープン(左写真)し、西岡氏に関連する写真や資料を見ることができます。「最高に優れた人」を意味する「ダショー」の称号をブータン国王から贈られました。亡くなった1992年、王室・政府による国葬が執り行われ、多くのブータン国民が悲しみの意を表しました。チェレラ峠に行く途中に、西岡氏の仏塔があり、西岡氏が実験農場として開墾したボンデ村の棚田風景を付近で見ることができます。


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